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シティとリヴァプール――。それぞれが自分に「ないもの」を持つ因縁の激突

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言わずと知れた通り、リヴァプールマンチェスター・シティにとってそれぞれ最大のライバルはマンチェスター・ユナイテッドである。前者はイングランドを代表する名門同士として、後者は同じ街に居を構える宿敵同士として因縁の歴史を紡ぎ、サポーターも選手もユナイテッドという大敵に巨大な対抗意識を燃やしている。それと比べれば、「敵の敵は友」とでも言うかのように、リヴァプールとシティの間にはそれほど大きな敵対心があるわけではないし、心からいがみ合っているわけでもない。しかし、それでも互いの存在をどこか“目の上のたんこぶ”だと思っている節は少なからずある。

悲願のリーグ制覇をかっさらわれた因縁の相手

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たとえば、リヴァプールは近年で最もプレミアリーグ優勝に近づいた2013-14シーズンに優勝トロフィーをかっさらわれた相手がシティだった。

ルイス・スアレスダニエル・スタリッジの「SAS」コンビが2人で52ゴールを挙げ、さらに主将のスティーヴン・ジェラードも13ゴール13アシストというキャリアハイの成績を収めたこの年のリヴァプールは、過去100年間でクラブ最多となる総得点「101」を積み重ね、アタッキング・フットボールを存分に楽しんでいた。4月半ばの第34節では、フィリペ・コウチーニョの決勝点でシティとの天王山を3-2で制した。試合後には、ジェラードがチームメートを集め、円陣を組んで目に涙を浮かべながら熱いスピーチを行い、悲願のプレミア初優勝に向けてまっしぐら……のはずだった。

ところがその後、かの有名なジェラードの“スリップ”でチェルシー戦を落とし、続くクリスタル・パレス戦では3点リードを奪ったにも関わらずラスト10分で追いつかれ、まさかの失速。結局、きっちりラスト5連勝でリーグ戦を締めくくったシティにタイトルを奪われた。上述した記録的な総得点数でさえ、セルヒオ・アグエロエディン・ジェコヤヤ・トゥーレがそれぞれ15ゴール超で総得点を「102」としたシティには敵わなかった。

長らくリーグ制覇を目標に戦ってきた名門リヴァプールにとって、千載一遇のチャンスを邪魔されただけでなく、つい数年前に突如としてリーグの中心に躍り出て、喉から手が出るほど欲しいタイトルを次々と獲得していくシティは、嫉妬の対象なのである。

 

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