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昌子の驚愕ロング弾にハリル「クリアしようとしたのかな」

[12.12 E-1選手権 日本2-1中国 味スタ]

 自分自身も、指揮官も驚くスーパーゴールだった。日本代表の1点リードで迎えた後半43分、センターラインを越えた位置でボールを持ったDF昌子源(鹿島)が右足を一閃。「人生で一番ロング」という約40mのロングシュートは美しい孤を描いてゴールマウスに吸い込まれた。

「まさか入るとは思わなかったですね。1点勝っていたので、ゴールキックになってもいいやという思いで蹴った」。勝利を決定づけた超ロング弾は昌子にとって記念すべき代表初ゴール。鹿島のチームメイトでもある元日本代表MF小笠原満男が06年2月のフィンランド戦で叩き込んだ約60m弾を彷彿とさせるゴールだったが、「満男さんのは狙っていたから、あれはすごい」と謙遜した。

 驚愕の一撃にバヒド・ハリルホジッチ監督も「私はクリアしようとしたのかなと思った。偶然だったが、素晴らしいゴールが決まった」と冗談交じりに称えた。「20m、30mのシュートを狙えとチームには言っていた。ただ、昌子にはその指示はしていなかったが」。そうジョークを飛ばし、頬を緩めた。

 2-0と突き放したが、後半アディショナルタイムにPKで失点。2試合連続無失点とはならず、「最後の失点で自分のゴールのうれしさよりも失点の重みが感じられた」と、DFリーダーとしての責任を痛感し、喜びは半減した。

 2試合連続でキャプテンマークを巻いてピッチに立った。4バックを形成したDF植田直通、DF三浦弦太、DF山本脩斗の3人はいずれもこの日が国際Aマッチデビュー。4人中3人が鹿島勢となったが、“相棒”の植田は本職のセンターバックではなく右サイドバックに入り、昌子は三浦とセンターバックを組んだ。「(三浦)弦太くんとは初めてだったし、どういう守り方をしようかと話していた。危ないところはあったけど、チーム一丸となって戦えたかな」と、勝利で終われたことには安堵の表情を浮かべた。

 9日の北朝鮮戦(1-0)は0-0の後半アディショナルタイムに劇的な決勝点。この日も終了間際の2ゴールで勝利を手繰り寄せた。「この2試合でハッキリしたのは(失点)ゼロの時間を長くして点を取る戦い方。もちろん前半で取れたら楽になるけど、ここ2試合はゼロの時間を長くして勝てた」。守備陣が粘って無失点の時間を長くし、最後に点を取り切る“勝利の方程式”。「韓国戦も(失点)ゼロを長くすれば相手が焦れてくる。ここまで来たら勝って優勝したい」と、3連勝での優勝を力強く宣言した。

【日本 2-1 中国 E-1選手権】

 日本代表は12日、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会で中国代表と対戦し、2-1で勝利した。

 試合終了間際の88分、昌子源が意表を突くロングシュートを突き刺し2点目を奪った。鹿島アントラーズの先輩・小笠原満男も日本代表時代の2006年、ハーフウェイライン付近から超ロングシュートを決めている。それについて聞かれた昌子は「ありましたね。見た見た見た。あれよりかはいいゴールでしょ(笑)」と、冗談めかして答えた。

 昌子は自身の一発を「狙ってない。ゴールキックになってくれればいいなと思って」打ったものだという。「満男さんのゴールに関しては、あれはホントすごいですよね。GKの位置見て、あの距離を正確にゴールに入れるっていうのは、すごい技術の持ち主だと思う」と、所属クラブの先輩に敬意を表した。

 この日は2点リードした後に1点を返された。それでも昌子の言うように「好守両方の内容も北朝鮮戦に比べて良くなっていた」のは間違いない。そして「ここまで来たら勝って優勝したい」と意気込んだ。